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2026/10/01 00:36

皆様こんにちは。山梨県富士吉田市で革製品専門店「前田工芸」を営んでおります、前田慎正です。
これまでのこと
先祖代々建築板金職人の家に生まれた私は、小さい頃から物作りが好きでした。勉強はあまり好きではありませんでしたが、小学校の図工の時間はとても楽しかった記憶があります。
とにかく何かを作ることが好きで、小麦粉をこねたまま放置してカビを生やしたり、蝋燭を魔法瓶の中に入れたり、風呂のお湯の出口を塞いで配管を吹き飛ばしたりしては、よく母に怒られていました。
ただ、小学3年生の時に父を亡くしました。それが原因だったのかはわかりませんが、中学から不登校になり、家に引きこもりがちな時期がありました。
そんな時に出会ったのが革細工です。
革細工を始めた経緯
きっかけは、祖母のハンドバッグの取っ手が壊れたことでした。「自分で直してあげたい」と思い、図書館で革についての本を探し、その足で始めて革屋に行きました。
店に入ったときのことは、今でもよく覚えています。革の香りが漂う店内に、見たことのない工具や金具が壁一面に並んでいて、一気に引き込まれました。
季節は冬。お年玉を握りしめて買えるだけの材料と工具を買って帰りました。夕方から革細工を始め、夢中になって作業をしているうちに、気づけば外は明るくなっていました。
それが、私が革細工を始めた最初の日でした。
革細工を始めてから
13歳の頃に革細工を始め、今年(2026)で9年になります。
最初は趣味として始めましたが、作るほどに革の奥深さや、使うことで表情が変わっていく面白さに惹かれていきました。
これまで財布やキーケース、名刺入れなど、さまざまな革小物を製作してきました。現在は山梨県富士吉田市の工房で、イタリアンレザーを使い、一点ずつ製作しています。
前田工芸を始めた理由
長く革細工を続ける中で、ただ商品を販売するだけではなく、実際に作っている場所で革を見てもらい、手に取ってもらえる店を持ちたいと思うようになりました。
そこで、祖父が長年営んでいた骨董店の店舗を自分で改装し、2026年9月6日に革工房として前田工芸を始めました。
完成した製品だけではなく、革の種類や色、製作している様子まで含めて楽しんでいただける店にしたいと考えています。
物作りで大切にしていること
物作りで大切にしているのは、素材の良さを活かすことと、長く使えるものを作ることです。
前田工芸で使用している革は、使うほどに艶や色が深まり、少しずつその人だけの表情へと変化していきます。
その変化を邪魔しないよう、必要以上に装飾を加えず、革そのものの表情や質感が伝わる形を意識しています。
また、縫製やコバなど、普段はあまり気にしない部分も丁寧に仕上げることを大切にしています。
これからの前田工芸
これからも、自分が本当に良いと思えるものを一つずつ作り続けていきたいと考えています。
製品の種類やカラーを少しずつ増やしながら、革が好きな方はもちろん、初めて革製品を手にする方にも楽しんでいただける店にしていきたいです。
そして、富士吉田に「前田工芸」という革工房があることを、少しずつ知っていただけたらと思っています。